30年前の記憶

20131215

中学2年生の時に引っ越しをして、それまで一年半ほど住んだ町を離れた。電車に乗って元の中学へと通い続けたので、駅から学校までの大きなお寺の境内を通る道を、それから高校入学までの1年あまりの間、毎日のように歩いた。ふとしたきっかけで、今日はおよそ30年振りにその道を歩いてみた。駅から続く長い参道を、境内へと向かってゆっくりと登る。幾つかの店は名前を変えて、ギターの弦を買うために立ち寄ったレコード屋は、その名前は変わらず家電を扱う小さな電気屋になっていた。同級生の家が通り沿いにあったような気がするが、どうしてもその彼の名前を思い出すことが出来ない。参道のどん詰まりにある土産物屋は記憶のままで、当然のように境内の風景は当時の記憶と変わらぬ姿でそこにあった。そのまま足を伸ばしてもと住んでいた団地を訪ねてみようと思い立った。意外に迷わず歩けることに少し驚きながら、あっさりとたどり着くことができたが、その団地のどの棟に住んでいたのかも、最後まで思い出せなかった。

吹寄せ

20131119

自宅周辺の欅や銀杏も色づき始め、朝の街には晩秋の空気が漂っている。落ちた葉が風に吹寄せられて色とりどりの模様をつくり、すぐに色あせ次第に朽ちてゆく様子は、精一杯華やかに装った街のイルミネーションの背後にひそむ淋しさや空しさといった感情を裏打ちしている。それは冬至に向かって細く小さくなってゆく生命のあかりなのだろう、春の夜には決して覚えることのない感覚だ。そんなことを考えながら、駅前ターミナルのイルミネーションを撮影していると、アンケートに答えて欲しいと声をかけられた。その人は「いかがわしいキャッチではない」と言い、確かにそんな風には見えなかったが、人と関わるのが煩わしくて足早に通り過ぎた。

秋爽

20131030

お昼休みに少し時間があったので、コンビニで買ったおにぎりとお茶をぶら下げ職場近くをぐるりと歩いた。空には薄雲がかかりすっきり秋晴れというわけにはいかなかったが、風の冷たさはともかく、歩くとしっとり汗ばむ陽気になった。ツリーの見える公園のベンチに座ってぼんやり考え事をしていると、聞き慣れない外国語。観光で訪れたのだろうか、二人の時間をとても楽しそうに過ごしていた。はっとして時計を見ると午後の仕事の始まる時間。慌ててベンチから立ち上がると、あたりには心地良い風。忙しい仕事の合間に、こんなにも穏やかな時間を持てたことが嬉しい。

秋澄む

20131028

これほど気持ちの良い秋空が広がるのは久し振りだ。クルマの屋根をフルオープンにして仕事場に向かったが、昨日までのウツウツとした気持ちがさっぱりと晴れてしまったのには驚いた。十月は昔から苦手な季節で、ちょっとしたことで気持ちが沈んでしまいがち。“また今年もか…”と半ばあきらめかけていたところだったので、これは嬉しい誤算。それと同時に、これほどまでに天候の影響を受けている自分の気持ちにもびっくりした。午後からは出先での仕事だったので、途中、いつものように近場の農業公園に立ち寄った。秋桜は台風のため倒れてしまっていたが、花はそこからぐっと立ち上がっている。今夏の猛暑での狂い咲きだろうか、夏の名残の向日葵が秋空に向かって見事な花を咲かせていた。

寒露

20131008

今日は寒露。晩秋から初冬を表す言葉のようだが、気温は30度近くまで上がってほとんど真夏日になった。とは言え、出勤のためにクルマに乗り込む時には前後のウィンドウが露にくもっていたから、朝はそれなりに冷えたのだろう。キャンパストップを開けて走り出すと、空は青く眩しく晴れていて、ずいぶん高いところに秋の雲が浮かんでいた。稲の切り株から細く柔らかな芽が伸びて、刈田を渡る風にさやさやと揺られて美しかった。

献花

20131002

いつもの水曜よりは少し元気だったので、仕事のあとは自宅まで歩いて帰ることにした。距離にして5kmほどだろうか、ゆっくり歩いて一時間ほどの夜の散歩。鞄からカメラを取り出しハンドストラップを手に巻き付けて歩く。街には台風の運んで来た湿った空気がまだ残っていて、背中にじっとり汗をかいた。大きな国道をわたる交差点に、献花が絶えることのない横断歩道がある。ここにはきっと悲しい物語が蟠っているのだろう。

すっかり秋の気配

20130926

ずいぶん久し振りに自宅から外に出て仕事場に向かった。生憎の天気で冴えない気分と体調ではあったが、途中の江戸川の土手には彼岸花がちらほらと、しかしずいぶん長い距離にわたって咲いていた。帰りには雨は上がってところどころに青空が見え、クルマを脇に止め土手に上がって夕日を眺めたいと思ったが、病み上がりの身体に仕事が堪えたらしく、次の行動に移れないまま、あっと思った時にはすでに通り過ぎていた。明日から週末にかけては良い天気が続くようだ。無理せず近場で秋の気配を感じられればと思っている。

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